専業主婦が辛い理由とは?
専業主婦は、毎日家にいることができ、自由に時間をやりくりできる楽な立場の人では決してありません。しかし、専業主婦ではない人が専業主婦に対して抱くイメージはというと、その本当の重要性や大変さをきちんと理解したものではないことも少なくないと言えます。そこでこの記事では、専業主婦のどういったところが大変なのか、そして専業主婦がどれほどの働きをしている人達なのかを正しく理解してもらえるよう解説します。
専業主婦は楽ではない
専業主婦は、毎日決まった時間に仕事へ出かける必要はありません。しかし、だからといって会社勤めなどの一般的な勤め人と比べて、専業主婦が楽な立場だというわけでは決してないのです。確かに、専業主婦には会社などの決まった勤務地も勤務時間もありませんが、その一方で、家にいる限りずっと勤務地にいることになり、一日中が勤務時間だとも言えるのです。専業主婦は、家にいられることで時間を自由にやりくりできるように思われることもありますが、思いのほか時間に縛られ辛い思いをしている人も少なくありません。
専業主婦が家事に追われる場合、1つ1つの仕事を片付けても、その工程を終えたことが次の仕事へと必然的につながっていきます。例えば洗濯機を回すとき、それは洗濯という家事を終えたことを意味するのではなく、次に洗いあがった洗濯物を干す仕事が生じたことを意味します。そして、洗濯物を干したときには、数時間後に乾いた洗濯物を取り込み、畳んで片付ける仕事が生じるのです。また、こうした1つ1つの工程の合間に、家の掃除や買い物、食事の準備のほか、専業主婦でなければ気がつけないような、細かくても生活するためには欠かせない雑務をこなさなくてはいけません。したがって、専業主婦は自由に時間をやりくりできるどころか、多くの仕事を効率よく同時に進めなくてはいけないのです。
子供が幼い場合は、必ずしも効率的に家事をこなせるとは限りません。会社勤めなどであれば、いつ何をするかなどはある程度自分で決めることもできます。しかし、専業主婦の育児をしながらの家事は、自分のペースで物事を進めることは困難です。生活のペースは常に子供が握っているとも言え、子供の世話を優先するがゆえに自分の計画通りに家事を終わらせることが難しいのです。
また、仕事から帰宅した夫の、働いたから疲れている、という感覚が専業主婦を苦しめてしまうこともあります。身近な存在である夫に、自分の働きやその重要性を理解してもらえないことは辛いものです。こうした夫の感覚は、自分が外で働いている間、妻も家で働いているのだという認識が薄いことから生じることだとも言え、専業主婦が専業主婦でいることを辛いと思う理由にもなり得ます。
さらに、休日がないことも専業主婦の辛いことの1つだと言えます。勤め人には決まった休日がありますが、専業主婦の仕事には休んで良いものがほとんどありません。そのため、毎日決まったことをやり続けなくてはならない大変さが専業主婦にはあります。だからこそ、決まったペースを崩さずに家事と向き合うことが必要ですが、夫の仕事が休みの日や、子供の学校が休みの日などは、毎日の積み重ねで作り上げた家事のペースを乱されてしまうことも少なくありません。その上、家族が家にいることで家事を休めるどころか、やらなくてはいけないことが増えてしまう場合もあります。例えば昼食は、自分1人であれば時間を見つけて簡単なもので手軽に済ませられますが、夫や育ち盛りの子どもにはきちんと食べさせなくてはいけないという思いから、普段よりも昼食作りに時間をかける専業主婦も多いと言えます。
そうした終わりのない日々に追われながら、ふと辛いと感じてしまう専業主婦は少なくなく、またその大変さと世間の専業主婦に対するイメージに隔たりがあると、その辛さもいっそう強まってしまうのです。
専業主婦が専業主婦でいなくてはならない理由
専業主婦のなかには、社会とのつながりを失いたくないと考える人や、家事と自分の時間のメリハリをきちんとつけたいという思いから、仕事をしたいと望む人もいます。また、毎日いくら働いても家事はお金を生まないため、家計の足しにしたり、自分の自由にできるお金を少し作ったりしたいという考えが、仕事に就く欲求を生み出すとも言えます。それでも幼い子供がいる場合、子供のそばにいてあげたいと思う人は少なくありません。また、外に出て仕事をする必要があっても、希望通りに保育園に子供を預けられないことも十分に考えられます。そのため、働きたいと思っても、専業主婦でいなくてはならない状況にいる場合もあるのです。
また、経済的な理由で専業主婦でいなくてはならない場合もあります。例えば、働きに出て、得られる収入が一定を超えると、夫など家計を支える立場の人の扶養から外れなくてはいけなくなってしまいます。妻や子供など、扶養する家族がいることで、夫が支払う税金が優遇してもらえる控除制度があり、妻の収入が増え扶養から外れることで、支払わなくてはいけない税金が増えてしまい、結果として家計を圧迫してしまうこともあり得るのです。
さらに、夫婦間の考えの違いにより、専業主婦を続ける人もいます。男性のなかには妻には家にいてほしい、家にいて家庭を守ってほしいと考える人もいると言えます。また、すべての人ではありませんが、妻が働くことで夫の収入が生活していくのに十分ではないと、世間から思われることを気にする男性もなかにはいるのです。このような理由から、自分の意思とは裏腹に、専業主婦を続けなくてはならない人も少なからずいます。
専業主婦にふさわしい年収は?
専業主婦が楽な立場だと考える人や、専業主婦でいる人に否定的な考えを持つ人のなかには、専業主婦が担う仕事がお金を生み出さないことをそうした意見の理由に挙げる人も少なくありません。一方で、専業主婦が担う仕事内容から得られる給料を算出した調査によると、専業主婦の年収は子育てをしている人で約480万円ほど、子育てをしていない人で約240万円ほどになります。子育てをしている専業主婦の場合、月給にすると40万円ほどなので、比較的大きな企業で働く30代のサラリーマンや、中小企業であれば役職に就いている人の月給とそれほど違いがないと言えます。
また、専業主婦は子育てだけではなく、親の介護をしていることも考えられます。そうした場合は、仕事内容から換算した得られる給料はさらに増えると考えられ、また、残業手当や雑務などに対する給料を合わせれば給料はさらに増額するのです。このように、外へ働きに出ている人と比べても、何ら遜色ない働きを専業主婦はしているのです。そうした労働をしているにもかかわらず、無職だと見なされたり、ただ単に養われているだけだと思われたりすることは、専業主婦を辛い気持ちにさせるとも言えます。
さらに、会社勤めの人には定年があります。そして、定年後はそれまでもらえていた給料はもらえなくなります。一方で、専業主婦には定年がありません。つまり、いつまでも働き続けなくてはいけませんし、仮に子育てが終わりその分の仕事が減ったとしても、やらなくてはいけない家事があることに変わりないのです。したがって、専業主婦の働きを給料に換算する場合、会社勤めの人とは異なり、一般的には定年を迎える年齢を過ぎても、十分な収入が得られるほどの働きをし続けていると言えます。
働き続ける専業主婦の辛さ
専業主婦は外に働きに出る必要はありませんが、それは仕事をしていないという意味ではありません。専業主婦にとっての仕事場は家庭であり、労働時間に限りはなく、定年もないのです。また、家庭にいるからといって自分で時間を自由にやりくりできるわけでもありません。そうした大変さを理解してもらえないことのある専業主婦の辛さは、思いのほか大きいと言えます。